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探索18日目


Diary

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キャラクター解説

フィア=ウィンド
 この物語の主人公。これがアタシの書く日記である以上、主人公の地位は揺るがないのだ!
 友人から預かった犬が元気を無くしてしまい、生命の力が溢れるというこの世界に来た。

フィア「さーて。野盗退治も一段落したことだし。そろそろ次の依頼を・・・」

石刀火 凍檻 (いわとび こおり)
 フィアのパーティメンバ。妙に立派な黄色いマユゲが特徴の青年。
 顔立ちは整っているけど、言葉を放つと残念でならない人。

こおり「野盗退治の遠征で随分と時間を使ってしまったからな。
    次はもっと近い所でも良いんじゃないか?」


ひかげ
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の女の子。
 何でもいいから世界一になりたいらしい。ひなたちゃんの双子の妹。

ひかげ「ここからイチバン近い依頼ってどこよ?」

ひなた
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の男の子。
 絵本作家になるのが夢らしい。ひかげちゃんの双子の兄。

ひなた「・・・そうですね。ここからだと・・・
    『ギャング潰し』の依頼が最も近いんじゃないでしょうか」


ノライヌ
 友人であるイリスから預かった犬。ダンボールで出来ている。弱っていたが、この世界に来てすっかり元気に。
 言葉を喋る事は出来ないが、実は字が書ける。

ノライヌ「わんわん! わんわん!」

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■探索18日目の日記■

私達はオルゼの東に聳える山脈を越え、一路、ギャングが出没すると言われるポイントへと歩みを進めていた。

フィア「ギャング・・・ギャング討伐かぁ・・・」

昨日は話の流れでギャング討伐に向かうってコトになっちゃったけど・・・
前回の野盗退治の依頼といい、わざわざ怖い人を連続で相手にしなくてもいいのにっ!
どうしてこんな展開になっちゃったんだっけ?
引き返したい・・・引き返したいよう!
私の胸中では、臆病風が吹き荒れまくっていた。

こおり「どうしたフィア? 足取りが重いなぁ。
    小便は済ませたか? 神様にお祈りは?
    ・・・今更引き返すのは無しだからな?」


フィア「判ってますよぅ!」

こおりさんにクギを刺されてしまった。

ひなた「そろそろ・・・依頼のあったポイントですね。
    皆さん、周囲に気を付けて下さい・・・!」


ひかげ「ふん、ギャングだろうがヤングだろうがあたしの敵じゃないわよ!」

ノライヌ「わんわん!」

そんな会話をしつつ、まもなく山道を抜けようかという時。

フィア「・・・ん? 何だか音楽が聞こえない?」

そんな時だ、遠くの方から妙にアップテンポな曲が流れてきた。

ひなた「ギャングの出現ポイントで陽気な音楽というのも妙ですね・・・」

ひかげ「判んないことがあったら直接目で見て確かめればいいのよ!行くわよひなた!」

ひなたとひかげペアに連れられる形で、先へ先へと進んでいく。
やがて山道を抜け、広い砂地が視界いっぱいに広がる。
そして、その砂地の中心部では・・・

ギャングスター「ひゃっほぅぅッ!!」




黒い服を身に纏い、石舞台の上で音楽を流し踊り狂っている集団があった。

フィア「・・・なに・・・あれ?」

ひなた「まさかとは思いますが・・・彼らがギャングなんでしょうか?」

私達が呆気にとられて固まっていると、黒服の一人が私達に気付き、軽快なステップで近づいてきた。

ギャングスター「いよぉごきげんかぁい!? 俺らを成敗しに来た?
         そんなことどうでもいいから一緒に踊り明かそうぜッ!!」


フィア「どうでもよくねぇええっ!」

思わずツッコんでしまった。

ひかげ「何?コイツらを倒せばいいの?」

ひなた「そうみたいだねひーちゃん。少し拍子抜けだけど・・・」

フィア「盗賊やマフィアみたいな暴力集団じゃないと判ればコッチのもんよ!
    さぁ黒服のおにーさん達、覚悟を決めてもらうぜーっ!」


私はさっきまでの臆病風など綺麗さっぱり吹き飛び、ギャングスターの一団へと乗り込んだ。

こおり「・・・・・・ちっ

・・・あれ? 今こおりさん、舌打ちしなかった?


###



30分後。

ギャングスター「心地よいリズムが聴こえる・・・ぜ・・・・・・」

黒服の最後の一人が、そう言い残すとゆっくりと倒れた。

フィア「・・・勝った!」

ひかげ「ざっとこんなモンよ!」

ノライヌ「わんわん!」

私達の完全勝利である。

こおり「・・・ところで。彼らは犯罪に手を染めた集団の様には見えなかったワケだが・・・
    何故討伐されなければならなかったんだ?」


――はっ! 言われてみれば!

ひなた「元々の依頼文は『あいつら頭おかしいぜ。どうにかしてくれ!』という物だったので・・・
    どうやら近所迷惑だった様ですね」


なるほど確かに近所迷惑かも知れない。

こおり「ご近所迷惑という理由だけで、ここまでする必要があったのだろうか?
    暴力による解決・・・これが正しいことなのか?」


周りには、気を失って倒れた黒服の皆さんが。

フィア「ちょっとー、こおりさんも一緒に戦ったんだからっ!
    自分だけ正義面しないでよーっ!」


いや、私だって「やり過ぎたかなー」とは思ってるんだよ? ホントだよ?

私達がそんな話で盛り上がっていると・・・

狂楽「ありゃ、もうやられてらぁ・・・」

何処からともなく、柄付き甚平を着た男性が現れた。
先程の黒服連中の仲間・・・というワケでも無さそうだ。

狂楽「ぃよっ!俺は狂楽ってんだ。これアンタがやったのか?すっげぇじゃん」

フィア「いや・・・スゴいと言うか・・・ヒドいと言うか・・・(汗」

狂楽と名乗った男は、ノビた黒服連中を一瞥すると、

狂楽「なんだよ・・・・・ギャングっつぅからもっと極悪っぽいのを想像してたんだがなぁ・・・
   ・・・殺しも何もしてなさそーなツラしてやがる。いい餌になると思ったんだがなぁ、・・・畜生め」


右手に握られた銃を見ながら残念そうに呟いた。

狂楽「ま、仕方ねぇな!他をあたるとすっかぁ。・・・じゃ、まーたなー!」

男は一方的にそう言うと、私達の前から去っていった。

こおり「・・・・・・・・・。」

ひかげ「何なのよあいつ・・・?」

フィア「ピストル持ってたよピストル!!」

ひなた「銃を見ながら、何やら不穏なコトを言ってましたね。
    ・・・あまりお近付きにならない方がいいかも知れません」


ひかげ「赤い銃ってセンスないわよねどーでもいいけど」

こおり「・・・・・・・・・。」

依頼を達成したのに、どうにも晴れやかな気分になれない私達。
とは言え、こんな所で立ち止まっていても仕方がない。一度オルゼの街に戻るべきだろう。

こおり「・・・・・・・・・。」

フィア「さっきから深刻な顔して黙ってるけど・・・どうしたのこおりさん?」

こおり「・・・・・・。あの銃はデスク○ムゾン?!
    ・・・まさか・・・・・・あぁクリムゾンよ永遠なれ!」





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