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≪探索16日目 探索18日目≫

探索17日目


Diary

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キャラクター解説

フィア=ウィンド
 この物語の主人公。これがアタシの書く日記である以上、主人公の地位は揺るがないのだ!
 友人から預かった犬が元気を無くしてしまい、生命の力が溢れるというこの世界に来た。

フィア「・・・勝った!」

石刀火 凍檻 (いわとび こおり)
 フィアのパーティメンバ。妙に立派な黄色いマユゲが特徴の青年。
 顔立ちは整っているけど、言葉を放つと残念でならない人。

こおり「勝ったな」

ひかげ
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の女の子。
 何でもいいから世界一になりたいらしい。ひなたちゃんの双子の妹。

ひかげ「らくしょーよ!」

ひなた
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の男の子。
 絵本作家になるのが夢らしい。ひかげちゃんの双子の兄。

ひなた「強がりはダメだよひーちゃん。右手、怪我してるでしょ。ほら見せてみて」

ノライヌ
 友人であるイリスから預かった犬。ダンボールで出来ている。弱っていたが、この世界に来てすっかり元気に。
 言葉を喋る事は出来ないが、実は字が書ける。

ノライヌ「わんわん! わんわん!」

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■探索17日目の日記■

無事に野盗の一団を退け、依頼を達成した私達。
気分も晴れやかに、オルゼの街へと帰還した。

フィア「いやー、オルゼの露天風呂はやっぱサイコーだねーっ♪」

ちゃぽん。

ノライヌ「びゃふん!」

ひかげ「ちょっとそこのダンボール! 一緒にお風呂入るのはいいけど・・・
    ・・・ベッコベコじゃないの大丈夫なのっ?!」


今回の野盗退治は4日間の長旅だったのだ。
こうして街でくつろげるのも4日ぶり。ハメも外したくなると言うものだ。

かぽーん!

ひなた「・・・女湯の方が騒がしいですね」

こおり「ん? ひなた君は女湯に興味がある年頃なのか?」

ひなた「そ、そんなんじゃありませんよっ」

こおり「まぁひなた君も男の子だ。恥ずかしがるような事じゃないさ」

ひなた「・・・・・・・っ。」

こおり「・・・だが。これだけは言わせて頂きたい。
    顔アイコンだけでサービスシーンを演出した気になって貰っても困る!
    そして俺はなぜ今服を着ているのだろう?」


ひなた「・・・・・。こおりさんの言っている事が難しすぎて、僕にはよく判りませんっ」


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フィア「さーて。野盗退治も一段落したことだし。そろそろ次の依頼を・・・」

ノライヌ「わん!」

オルゼの宿で一晩ぐっすりと寝てリフレッシュした私達は、次の依頼に向けての作戦会議を始めることとなった。

こおり「野盗退治の遠征で随分と時間を使ってしまったからな。
    次はもっと近い所でも良いんじゃないか?」


こおりさんの言う通り、野盗退治の遠征には4日も掛かってしまった。
それだけ、私達は他の探索者と比べ『出遅れた』ということになる。

ひかげ「ここからイチバン近い依頼ってどこよ?」

ひなた「・・・そうですね。ここからだと・・・
    『ギャング潰し』の依頼が最も近いんじゃないでしょうか」


へぇ、『ギャング潰し』の依頼がイチバン近いのかぁ。知らなかったなぁ。

こおり「じゃぁこそで」

フィア「ちょーっと待ったァア!!

思わず大声を上げてしまった。

こおり「ん?どうした? 何か悪いモノでも食べたか?」

ちがうわっ!

フィア「・・・いや、『ギャング』って・・・あのギャングのコトだよね?」

こおり「“あのギャング”と言われてもな・・・お前はギャングに知り合いでも居るのか?」

フィア「そういう意味じゃなくてー!
    その・・・私の知る限り、『ギャング』ってとてもコワい人って印象があって・・・」


ひなた「一般的に『ギャング』と言えば、『暴力的集団』を指す言葉ですよね」

フィア「そうそれ! どうして『野盗』の次が『ギャング』なのさーっ?!
    そんなコワい人を立て続けに相手にしなくてもいいじゃんかーっ!」


依頼ってさぁ、そんなコワイのばっかりじゃなくてさ、もっと色々あるじゃない。
ほら、山猫退治とか、食料の運搬とか・・・

こおり「・・・何だお前、人助けがしたいんじゃなかったのか?
    目の前で人が救いを求めている、なのにお前は相手を見て選り好みするのか?」


え? いや・・・確かに依頼を通じて人助けがしたいとは思ってるんだけど・・・

こおり「それに。お前は以前、こうも言っていたな。
    『野盗退治』や『ギャング潰し』『殺人鬼の追跡』の依頼に違和感を感じる、と。」


・・・確かに、言った覚えがある。
セルフォリーフ
この世界 では生命力が溢れ過ぎて、動物たちが凶暴化したり、無機物たちが突然動き出すようになって・・・『救援要請』が出た。
しかし。『野盗退治』『ギャング潰し』『殺人鬼の追跡』といった依頼は、『生命力が溢れて云々』の問題とは根本が異なる気がするのだ。

・・・14日目の日記で話題にしたネタだね。こおりさん、よく覚えてたなぁ。・・・ちょっと嬉しいぞ。

こおり「確かに『山猫退治』や『食料の運搬』といった依頼をこなしていくのは一つの手だ。
    だが。逃げているだけでは疑問は何も解決しない・・・
    数多の疑問を解決した先にこそ、この病んだ世界を救う手掛かりがあるとは思わないか?」


こおりさんてば、普段は何も考えてないような顔してるクセに・・・けっこう色々考えてたんだ・・・

フィア「・・・うん、こおりさんの言う通りかも知れないね」

私は大きく一つ頷いた。

フィア「逃げてたって仕方がないもんね!
    ここは一つ、『ギャング潰し』にチャレンジしてみよっか!」


ひかげ「あたしは戦えるなら何だっていいわよ」

ノライヌ「わんわん!」

こおり「・・・決まりだな」

こうして私達の次の目的地は、『ギャング』の住処となったのである。


ひなた「・・・・・・・・・フィアさんって、本当に流されやすい人だなぁ・・・」


# つづく #




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