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≪探索11日目 探索13日目≫

探索12日目


Diary

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キャラクター解説

フィア=ウィンド
 この物語の主人公。これがアタシの書く日記である以上、主人公の地位は揺るがないのだ!
 友人から預かった犬が元気を無くしてしまい、生命の力が溢れるというこの世界に来た。

フィア「ごめん・・・亜流ねーちゃん。アタシ・・・帰らない!」

石刀火 凍檻 (いわとび こおり)
 フィアのパーティメンバ。妙に立派な黄色いマユゲが特徴の青年。
 顔立ちは整っているけど、言葉を放つと残念でならない人。

こおり「ほら、オルゼの街は目の前だぞ。何をくずくずしている?」

ひかげ
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の女の子。
 何でもいいから世界一になりたいらしい。ひなたちゃんの双子の妹。

ひかげ「あー、その顔、あんたゾンビに負けたなー? ざまあ!」

ひなた
 フィアのパーティメンバ。小学5年生の男の子。
 絵本作家になるのが夢らしい。ひかげちゃんの双子の兄。

ひなた「ひーちゃん、僕達も負けたでしょ」

ノライヌ
 友人であるイリスから預かった犬。ダンボールで出来ている。弱っていたが、この世界に来てすっかり元気に。
 言葉を喋る事は出来ないが、実は字が書ける。

ノライヌ「わんわん! わんわん!」

氷希宮 亜流 (ひきみや ある)
 母校である九頭竜学園の先輩。いつも何かと頼りにしている先輩。少しお説教くさい。
 フィアに学園に戻ってくるようにと連絡を入れてきた。

亜流「全部片付いたら、今度こそちゃんと帰ってこいよ。私をあまり独りにしないでくれ」

宿屋の息子
 エスタにある宿屋の息子。
 ゾンビ退治に向かったまま行方知れずとなっていた。

息子「レムネットちゅわぁあぁああんっ!!」

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■探索12日目の日記■

アタシ達はゾンビの住まう館を越え、山間の街、オルゼへと到着した。

ノライヌ「わんわん! わんわん!」

フィア「おぉーっ! ココがオルゼの街かー。すげーっ! かっくいい街だねぇ!」

渓谷に作られたこの街には、石造りの建物が並んでいた。
エスタの街が古風でのんびりとした感じだったのに対し、オルゼの街は荘厳で力強い感じだ。

ひかげ「観光もいいけど、早く宿屋探しなさいよ!
    疲れたー! おなか減ったー! お風呂入りたいー!」


ひなた「宿屋はそこの角を曲がったところに在る様ですね」

ひかげちゃんの問いに、ひなた君が的確に答える。さすがはひなた君、下調べもバッチリの様だ。
私達は迷うことなく、オルゼの宿屋へ到着した。

店員「いらっしゃいませー!」

かなり広いカウンター。制服姿の店員が出迎えてくれる。

フィア「こんにちは! 4人と1匹でお願いしまーす♪」

ノライヌ「わん!」

手早くチェックインを済ませる。ペット同伴OKというのは嬉しい。

こおり「ふむ、何やら新しい依頼も出ているようだな」

こおりさんが、カウンター横の『依頼』の張り紙に気付く。

フィア「・・・・・・・・。」

ひかげ「ふーん、『巨大ミミズの捕獲』に『ギャング潰し』ねぇ・・・」

依頼の張り紙には、相手の戦力についても簡単に記載されていた。

ひなた「かなり手強そうな相手ですね。今の僕たちで敵うかどうか・・・」

そう、私達はゾンビ戦で痛い目に合ったばかりなのだ。

フィア「・・・ゾンビ退治も中途半端なままだもん。
    無理はせず、出来るところから1つずつ着実にこなそうよ!」


ひなた「では次は・・・『野盗退治』辺りからですかね」

こおり「まぁ、それでいいんじゃないか?」

他にお客さんが居ないのを良いことに、私達はカウンターで井戸端会議を始めていた。

ひかげ「こんなトコロで話し込んでる暇があったら、とっととお風呂行くわよ!
    その後には晩ごはんが待ってるんだから!」


ふと見ると、ひかげちゃんが地団駄踏んでいる。

店員「当店の露天風呂は絶景ですよ。ごゆっくりお楽しみ下さい。
   その間にお食事をご用意いたしますので」


ひかげ「ちょっと何のんびりしてるの?! 急ぐわよ!!」

ひなた「はいはい、ひーちゃんはせっかちなんだから」

そんなカンジで。私達は奥の部屋へと向かうのであった。

フィア「・・・ごめん。みんなちょっと先に行ってて!」

しかし。私は足を止める。

フィア「店員さん、電話ってあるかな?」

店員「デンワ・・・でございますか?」

まさかとは思ったけれど。この世界には『電話』という便利な機械は無いのかも知れない。

フィア「ええっと・・・他の街に住んでる人に連絡を取る為の道具で・・・」

店員「『伝書鳩』でしたら、ご用意できますけれど・・・」

フィア「おっけー! ソレだっ!」

私は店員さんにお願いして、伝書鳩を使ってエスタの街に手紙を届けることにした。


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拝啓、エスタの宿屋の主人様

息子さんとは、山間の洋館で会いました。
とても元気にしていました。びっくりするくらい元気でした。
私はゾンビに負けてしまいましたが、命まで取られることは無い様ですのでご安心下さい。
息子さんも、ゾンビを倒すまではどうあっても帰る気は無い様子でしたよ。

私も近いうちにまた件の洋館を訪れる予定です。
その時にはまたご連絡致します。

                                フィア=ウィンド

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ひかげ「ちょっとー! おそーい! なにやってたのよー!
    のぼせちゃったじゃなーい!!」


かぽーん


# つづく #




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