日記ログTOPへ ≪探索10日目 探索12日目≫ 探索11日目 |
Diary |
日記の過去ログはこちら↓ http://maosuke.sakura.ne.jp/sicx/front/nikki/ ---------------------------------------------------------------------- キャラクター解説 フィア=ウィンド この物語の主人公。これがアタシの書く日記である以上、主人公の地位は揺るがないのだ! 友人から預かった犬が元気を無くしてしまい、生命の力が溢れるというこの世界に来た。
石刀火 凍檻 (いわとび こおり) フィアのパーティメンバ。妙に立派な黄色いマユゲが特徴の青年。 顔立ちは整っているけど、言葉を放つと残念でならない人。
ひかげ フィアのパーティメンバ。小学5年生の女の子。 何でもいいから世界一になりたいらしい。ひなたちゃんの双子の妹。
ひなた フィアのパーティメンバ。小学5年生の男の子。 絵本作家になるのが夢らしい。ひかげちゃんの双子の兄。
ノライヌ 友人であるイリスから預かった犬。ダンボールで出来ている。弱っていたが、この世界に来てすっかり元気に。 言葉を喋る事は出来ないが、実は字が書ける。
氷希宮 亜流 (ひきみや ある) 母校である九頭竜学園の先輩。いつも何かと頼りにしている先輩。少しお説教くさい。 フィアに学園に戻ってくるようにと連絡を入れてきた。
宿屋の息子 エスタにある宿屋の息子。 ゾンビ退治に向かったまま行方知れずとなっていた。
---------------------------------------------------------------------- ■探索11日目の日記■ ゾンビの住まう洋館の門前にて。
独りきりになってしまった私は、誰にも見られていないのを良いことに、わんわんと泣いた。 うっうっ・・・ひっく・・・うっううっ・・・ 5分・・・10分経っただろうか。 ようやく涙が止まり、少しずつ落ち着きを取り戻す。 私は・・・九頭竜学園中等部の2年生。 友人から預かっていたペットのノライヌを元気にするため、セルフォリーフを訪れた。 お蔭様でノライヌはすっかり元気を取り戻すことが出来た。 亜流姉さんの言う通り、ここに来た目的は達成した。 これ以上、この世界に留まる理由なんて・・・無い。 でも・・・ セルフォリーフ この世界 は、生命力に満ち溢れる楽園・・・と言うわけではなかった。 生命力に満ちているのは事実だが・・・それは同時に凶暴なモンスターを生み、世界は混乱していた。 その混乱に耐え切れず、外の世界に救援要請を出す程に。 街から1歩外に出れば、そこは怪物の闊歩する危険地帯。 リンゴが野生化して暴れまわり、山猫やカマドウマは巨大化し、山荘にはゾンビが巣食う。 凶暴なモンスターに怯える村人。貴重な食料を荒らされる商人。帰らぬ息子を危惧する宿屋の主人。 こんなにも困っている人達が沢山いるのに、「私には関係ない」という顔をして、この世界を去ってしまっていいのか? それに。 ……… ………………
……………… ……… この10日間、一緒に過ごしてきた仲間たち。 みんなスゴく個性的で、クセがあって・・・時には意見が分かれ、喧嘩になる事もあった。 でも。 一緒に居ると、とても心強かった。 いつも以上の力が出せた。 独りでは越えられない丘の向こうにだって、行ける気がした。 彼らと一緒に依頼をこなせば、この世界で苦しむ人達の力になれると思えた。 そして何より・・・充実していた。楽しかった。 そう、とても楽しかったんだ。
そこへ。こおりさんがひょっこり顔を出す。
他のメンバーも次々に登場する。 気が付けば、PTメンバ全員集合だ。
そう、私は独りぼっちじゃない。 彼らと一緒に、もっと前に進みたい。あの丘の向こうを見てみたい。 今度こそゾンビを倒して、あの宿屋の息子をギャフンと言わせてやりたい。 平和になったこの世界を、この目で見てみたい。 だから・・・私は・・・ ###
携帯電話の向こうから、故郷の先輩の声。
僅かな、間。
しばらくの間、沈黙が流れる。
いつになく真剣な口調で、亜流姉さんが尋ねる。
私は自分の気持ちを正直に伝えた・・・つもりだ。
私は思わず飛び上がってしまった。
こうして私は、救援要請の派遣員として、正式にセルフォリーフに留まることとなった。 ここは凶悪なモンスターの闊歩する、とても危険な世界。 私の選択が、決して楽な道程でないことは承知している。 でも。
仲間と一緒なら、きっと何とかなるって信じられるんだ。 # つづく #
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