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アップル退治を無事?に終え、私達は意気揚々?と、次の街へ向かっていた。 ・・・そんな時だ。
信じられないかも知れないが。 私達は、“空飛ぶタワシ”に襲われた。
激しい死闘。本当にギリギリだった。殺されるかと思った。流石はタワシ、掃除道具は伊達じゃない。 足元には、動かなくなったタワシが転がっている。 戦いの後は・・・いつも虚しい。 そして。 草原のキャンプで迎えたその日の夕食。
私達の眼前には、じっくり火の通ったタワシが。 “焼きタワシ”という料理らしい。 セルフォリ−フ この世界 は、無機物が動いて喋って襲いかかる・・・そんな不思議な世界。 そこは認めよう。 だけどっ! ソレを食べるのは間違ってるんじゃね?! そりゃぁまぁ、アップルさんを食べるのは100歩譲ってアリとしてもだ。 タワシはナシだよね? みんなもそう思うよね?
いつもと同じ表情で、しょりしょりとタワシを食す青い髪のPTメンバ。 まるでコロッケでも食べてるみたいに、箸を器用に使って焼けたタワシを口に運んでいる。 この世界ではタワシだって食べる・・・そういう文化なのかな? それが常識なのかな? 私は・・・意を決して、焼けたタワシを口に運んだ。 ――しょりっ
本当に意外だった。 亀の子タワシ特有のヤシの繊維に丁度良く火が通り、サクサクとした触感が楽しい。 程よい塩加減。油を吸った繊維は口の中で溶けるように噛み砕かれ、喉越しも良い。 鼻に抜ける香ばしい匂いが、更なる食欲を誘う。 これは・・・これは・・・アリかも知れない! 私は、2口、3口とかぶり付いた。 ――がりっ
何か硬いものを思い切り噛んでしまった。金属質で歯に響く・・・
ハリガネ?! タワシを中央で巻いてるアレか! 私は痛む歯を抑えながら、もう一度『焼きタワシ』を見た。 ・・・これってやっぱり、食べものじゃないよね?! # つづく #
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