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■探索3日目の日記■
私がボールを投げると、ノライヌが駆け出し華麗にキャッチ。 ボールを口に咥えながら、大喜びで戻ってくる。しっぽを千切れんばかりに振る様が可愛らしい。
再度ボールを投げる私。ボールに向かって駆け出すノライヌ。 秋風の心地よい昼下がり。私はそんなカンジでノライヌと遊んでいた。
見知らぬ二人組の少年少女が駆け寄ってきた。
何だか賑やかな二人組だなぁ。兄妹なのかな? よく見ると、女の子の方は私の持つボールをガン見している。
私は、女の子にボールを差し出してそう言った。
女の子はそう言うと、私の手から半ば強引にボールを奪い取り、おもむろに遠くに投げる。
ボールが投げられるや、ノライヌは元気に走り出す。
女の子は何やらすごく嬉しそう。 口調はアレだが、実はとても可愛い子かも知れない。
コントロールを誤ったのか、投げられたボールは緩やかに弧を描くと、やたらと深い草むらの中に落ちていった。 そこにはかなり背の高い雑草が群生しており、ここからでは草むらの中がどうなっているか見ることが出来ない。 ノライヌは、そんな草むらに迷わずダイブしていった。
女の子は言葉とは裏腹に、心配そうに草むらの様子を見つめている。 がさごそ・・・がさごそ・・・ 何とも言えない沈黙が続いた後。 獲物を見つけたのか、ノライヌは草むらの中から無事に出て来た。 おや? ボールと言うには随分と大きいような・・・ ノライヌの口からは、白くて太い棒が大小合わせて3本、飛び出していた。 中でも真ん中の棒は丸太の様に太く、その先端からはさらに灰色の細長い棒が2本、くの字に曲がって伸びている。 サイズ的にもかなり大きい。ノライヌの身長の5倍はあるだろうか。
ノライヌは勝ち誇った顔で、重そうにズルズルと、草むらの中から獲物を引きずり出してきた。 全長は160cmくらいだろうか。大きさとしてはそう、ちょうど人間と同じくらい・・・ ――ってか人間だし!! よく見たら人間だった。ノライヌの口の中に顔面がすっぽりと納まり、首から下がハミ出ている格好だ。
私は慌てて駆け寄ると、ノライヌの口に挟まったものをずるずると引きずり出す。
引きずり出されたソレは、しばらくの間はぴくぴくと痙攣していたが。 カッと目を見開くと、おもむろに自らの力で立ち上がった。
恐らく男性であろうソレは、無言のまま立ち尽くしている。
私は青い髪の男性の眼前で土下座して謝った。もうそれしかないと思った。 ・・・・・・。 しかし、男性からは返答が無い。身動きする素振りすらない。
私は土下座した姿勢のまま、恐る恐る男性の顔を見上げる。 相変わらず、男性からは返答が無い。 ゆっくりと私達3人を順番に眺めと、やがて一言。
男性の手には、街に張り出されていた『依頼』のチラシが握られていた。 # つづく #
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