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≪探索13日目 探索15日目≫

探索14日目


Diary

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キャラクター解説

石川 実継 (いしかわ みつぐ)
 この物語の主人公。これはオレの書く日記だかんな。主人公でとーぜんだろ?
 九頭竜学園の中等部2年生。MSBS部所属。愛称はミック。部長に騙されて?この世界に迷い込んだ。

ミック「もう限界やー! どうせ次の街なんて見つからず、このまま干からびて死ぬんやー!」

ジョン・A・マルクス
 ミックのPTメンバ。MSBS部の先輩。
 部活中の事故により体の大半を失い改造人間になったらしい。MSBS部ってそんな危険な部活だったの?!

ジョン「それだけ動けるなら大丈夫だよミック」

大江戸 大五郎 (おおえど だいごろう)
 ミックのPTメンバ。MSBS部の部長。
 この世界をMSBSだと思い込んだまま日々を生きる。強く生きて欲しい。

大江戸「疲れたなら好きなだけそこで休んでいればいいだろう。だが、俺達は先に行く」

アト
 自分で考え、自分で動けるぬいぐるみ。猫の天使らしいが、白ネズミにしか見えない。
 ミックに自分に似通った波長を感じたらしく、憑りついた。

アト「聞いて驚け! 今回は『女の子モンスター』が2体やで!」

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■探索14日目の日記■

眼前に、黒くて硬くて甘い物体がある。
いわゆるチョコレートというヤツだ。
しかも3つ。
・・・俺は夢でも見ているのだろうか?

試しに、足元に転がっていた岩に額をぶつけてみた。
ゴスっと、鈍い音。まぶたの裏で火花が散る。
そして鈍痛。

ミック「このアタマの芯まで響く痛み・・・夢なんかじゃねぇぞォォオオっ!!」

額から滴る血液など、まるで気にならなかった。
正に夢見心地というヤツだ。
この世に生を受け14年。物心付いた時から異性に激しい興味を持ち、ひたすらアタックを繰り返し、その度に玉砕してきた日々。
「ミックくん、気持ちわるーい」「寄るな変態!」「お前、洗ってない犬の臭いがするんだよ」
そんな言葉ばかりを浴びた我が人生。

ミック「そんな俺にも・・・ついに春が・・・っ!」

感涙のあまり視界が滲む。
ああ、生きてきてよかった・・・!

※注)中の人も激しく興奮しております。

――だが。
頭から徐々に血が抜けて・・・少しだけ冷静になって・・・落ち着いて考えてみると。
どうにも腑に落ちない点がある。
生まれて14年、一度もチョコなんて貰ったことのないこの俺が、何でまた今年に限って3つものチョコを手にしているのか?

ジョン「物理的に考えて・・・あり得ないよね」

おもむろにジョン先輩が答える。

大江戸「おそらくは罠・・・だろうな」

続けて大江戸部長。

ミック「ちょ・・・二人とも何てこと言うんやーっ?!
    俺がモテるのがそんなに異常だとでもぬかすかー?!」


ジョン「非科学的だよね」

大江戸「モテたらダメだろう、キャラ的に」

こ、こいつらーっ!!!

大江戸「まぁ、冗談はこれくらいにして。・・・そのチョコは誰から盗み取って来たんだ?」

ミック「盗んでねーよ!」

ジョン「自分で買ったんだよね?」

ミック「ちがうわーっ!!」

どうしよう、こいつらまるで信じちゃいねえ!

ミック「ちゃんと貰ったんだもん! 萌子ちゃん、JCちゃん、レーナさんの3人から貰ったんやー!」

俺は声を張り上げて答えた。
人生初めてのチョコだもん、自慢だってしたくなる。

大江戸「レーナさん? ミック、お前はその人と面識はあったか?」

ミック「・・・いや、ないけど・・・」

ジョン「・・・・・・・・。」

うわー、ジョンさんの懐疑的な視線が痛いっ!

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チョコをくれた人その1。
レーナさん
 会ったコトも無いのにチョコをくれた。『陰間茶屋優待チョコ』ってどういう意味じゃろ?

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ミック「レーナさんと面識は無いけど・・・ほら、相方のエリックさんには以前お世話になってるし・・・」

大江戸「ああ、あのアゴ殺人鬼エリックの相方、なのね」

エリーさんのパーティメンバは、鋭利に尖ったアゴを凶器とするプレイヤーキラーである。
そう、彼女達はいわゆるPKなのだ。大江戸部長は、妙に得心気に頷いた。

大江戸「知っているかミック? イタリアのマフィアは高価な贈り物をターゲットに送って、
     殺意をカモフラージュするらしいぞ」


ミック「ちょっとー?! レイナさんが俺の命を狙ってるとでも言うつもりー?!
    そんなワケ・・・ない・・・・・・よね?」


言葉では懸命に反論するも・・・内心で完全に否定できない自分が情けない。
俺ってば、レーナさんがどんな人かも知らないんだよなぁ。会ったコトすら無いワケだし。
そもそも・・・何で彼女のチョコが俺の手元に? 人違いとかじゃないよね?

大江戸「それから。萌子さんは、セルフォリーグの参加者だったと記憶しているが・・・」

セルフォリーグ? ああ、セルフォリーフのコトね。

ミック「その通りだけど・・・」

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チョコをくれた人その2。
萌子さん
 言動がちょっぴり(?)ダイタンな女子高生。『この子えちぃ妄想おk!』コミュとかで知り合った。

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ジョン「ここアンジニティとセルフォリーフは別の世界だからねぇ。
    会うことはおろか、メッセのやり取りすら出来ない・・・
    異世界の住人が相手だなんて、前代未聞の遠距離恋愛だなぁ」


ミック「いや、確かにその通りなんだけれど・・・(汗」

でも! 強い想いさえあれば、距離は関係ないって言うし!

大江戸「仮に上手くいったとしても、相手に触れることさえ出来ない関係を続けるワケだ。
     ・・・そんな生殺し状態でミックが我慢できるとは思えないんだが」


そう言われると、ものスゴく不安になって来たぞ。

大江戸「で、最後の一人は・・・JCさん? ・・・この人は・・・人間なのか?」

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チョコをくれた人その3。
JCさん
 カボチャ頭の子供。大きくくりぬかれた目や口の中は覗き込んでも何も見えない。

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ジョン「ええっと・・・おばけ?」

大江戸「プロフィールを確認しても、男か女かも判らないワケだが・・・
    人外に好かれるという意味では、まぁミックらしいとも言えるか」


ジョン「お化け が相手なら仕方がないよね」

ちょっとー! JCちゃんをそんなに悪く言わないで―っ!
あの子、話すととっても可愛いのよ?

大江戸「まぁ何にせよ・・・これだけは言っておく。3股などかけようとは思わぬことだ。
     リメンバーセンチメンタルグラフティ…せつなさは炸裂し、確実に破滅するぞ」


ミック「――――っ!!


# つづく #




萌子さん、JCさん、レーナさん、チョコレートありがとうございましたぁぁあああぁあああっ!!!




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