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心ここにあらず。 俺の脳内では、先日の人魚ちゃんとの戦闘が何度もリフレインしていた。 足が無くて代わりに尾ヒレが付いてたけど・・・愛があればそのくらい、大した障害にはならないよね?
心配そうなジョン先輩の言葉も、右から左だ。
PTメンバに白い目を向けられつつ。俺は再び人魚ちゃんに出会える日を夢見ながら、無価値な日々を過ごしていた。 そんなある日。 足元に、一枚の写真が舞い落ちてきた。
俺は持ち前の反射神経を最大限に駆使し、写真を回収した。 初動から回収完了まで、0.1秒かからなかったと自負している。
突然、上空から奇怪な白い生き物が舞い降りてきた。 全長40cmくらいだろうか。小さくて弱そうだが、気持ちの悪い目をしている。 新手のモンスターか?! だがコレなら俺でも勝てそうだ。
言いながら、俺の周りをくるくると飛び回っている。 なるほど。ヌイグルミ型のモンスターというワケか。
間髪入れずに答えた。
どうしよう、ヌイグルミにまで白い目を向けられてしまった。
なん・・・だと・・・?!
白いヌイグルミはにんまり笑うと、懐から写真を取り出し、俺に見せつける。
・・・ごくり。 アンジニティ この世界 には、まだ見ぬ可愛い子ちゃんが沢山居るというコトか・・・!!
真摯なまなざしで、俺はヌイグルミを見つめた。
―――は?
このヌイグルミは何を言っているのだろう? 言っている意味の半分も判らなかったが。どうやらコイツは、俺と行動を共にしたいらしい。 いわゆる『呪いの人形に憑りつかれる』というヤツだろうか? ・・・だが。その程度でこの写真が手に入るなら安い買い物だ。
俺はそう言って、ビシッと親指を立てた。
かくして。 この日から、俺の周りを小さな白いヌイグルミが飛び回ることとなった。
PTメンバの視線は、いつも以上に白かった。
# つづく #
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